浮気問題に携わるカウンセラーとして夫婦のカウンセリングを行っていく中で、いろんな夫婦の姿を見てきました。
現在の結婚生活に夫婦が満足していても、離婚に陥ってしまう夫婦は多くいます。
結婚生活は大変だけどお互いに深く愛し合っているから、これからの人生も二人で支えていけば大丈夫だろうと考えていても、それでも離婚してしまうのはどうしてでしょうか?
実際のところ、その夫婦が別れるのかそれとも上手くいくのかについては、口論になった時を見れば結構わかります。口喧嘩の大小ではなく、口論の仕方に特徴が出るのです。
そこで今回は、それがどういった特徴なのか?そして夫婦が離婚に至ってしまう心理的プロセスとはどういったものなのか?詳しく解説していきたいと思います。
1.離婚する夫婦に見られる6つの特徴
離婚する可能性のある夫婦には、口論に際に現れる特徴があります。もし自分が当てはまるようであれば、必ず早急に改善した方が良いでしょう。
1.否定的で避難を繰り返す
別れてしまう夫婦の特徴として、一つ目に否定的で非難を繰り返すという特徴があります。
この特徴は何か問題点があると、口論の内容そのものでは無く、相手の能力そのものが問題点であると思っている人に現れる特徴になります。
どちらか一方がこのように否定的だと、もう一方がその後どのような緩和策を出しても、必ず悪い結果になるでしょう。
最初に出だしが悪いスタートだと、会話を続けるのは止めて中断し、一息を入れてから出だしを修正するのがいいでしょう。
2.会話の中に4大危険要因が含まれていないかチェックする
2つ目に、1つ目の特徴があるカップルはマイナス作用を引き起こす言葉を口にしている可能性が高く、その言葉の危険な順としては、非難→侮辱→自己弁護→逃避の4種類があり、これを含まないようにすべきなのです。
(1)非難
誰でも一緒に住む相手には何かしらの不満を持っていることでしょう。しかし、不満と非難には大きな違いがあります。
不満は相手が自分の期待に背いたときにだけ発せられるものだが、非難は相手の性格、人格、能力などその人そのものを否定し、傷つける言葉です。不満はある行動に向けられるものだが、非難は相手の人格全般への中傷行為です。
このようなやり取りが毎回のことになると、別れの道を進むことになります。
(2)侮辱
やり取りの中に皮肉のたっぷりの言葉を口にしてしまうことで、それが相手への侮辱となっています。
相手の嫌がる名前で呼んだり、話しかけられている時にそっぽを向いたり、相手の物真似をしたり、相手を挑発するような冗談を挟むのも侮辱の一つです。
これは相手に嫌悪感を抱かせ、二人の関係に悪く作用します。相手が自分を嫌悪していれば、問題を解決することは不可能です。侮辱は相手の考える気持ちを削ぎ、二人の距離を広げてしまいます。
不満の表現と似たようなものに喧嘩腰の態度があります。これも二人の関係を悪くしてしまう毒となります。
喧嘩腰で言葉を発した側が例え冗談のつもりで言ったとしても、受け取った側は喧嘩を吹っ掛けられたと感じてしまいます。
(3)自己弁護
侮辱を受けた側が、自己弁護に終始することがあります。しかし、自己弁護で良い結果を生むことはまずありません。
自己弁護では、相手をひるませたり謝らせることはできないからです。また、弁護や言い訳をするということは相手を責めることに繋がり、問題は私にあるのではなくあなたにあると言っているようなものだからです。
(4)逃避
あらゆる非難を言われ、その言葉を無視すれば無視するほど、非難を言っている側の声は大きくなっていきます。そこで耐えられず、部屋から出ていく。
このように、向き合って話すより逃げることを選ぶと、相手との共同生活を避けることと同じなのです。そして、自分から相手を遠ざけることになります。
逃避者になるのは男女ともになりますが、男性の方がなる可能性は高いです。
会話は、聞き手が真剣に聞いていることを知らせる為に、目を見て相槌をしたりします。しかし、逃避者はこのような相手への発進を全くしません。逃避は、最初の三つの危険要因がマイナスの感情をつくり、その結果逃避という行動に陥るわけです。
3.自分のキャパシティを超える前に対処していく
通常逃避するのは相手から苦情や侮辱の言葉をこれでもかと浴びせられ、その反発として逃避という行動となります。
相手からの非難、侮辱、言い訳などの言葉を洪水のように浴びせられると、突然自分の殻に閉じこもってしまいます。極端に相手を警戒し、いつかいつか相手の怒りを再度爆発させるのではないかと考えた結果、自分の殻に閉じこもるという行動をとります。
共同生活の崩壊は予測できます。大抵、出だしの悪い会話から始まり、非難、侮辱、自己弁護、逃避の洪水に遭遇すると、確実に関係が破たんします。
自分のキャパシティを超える前に対処出来るかどうかがポイントとなってきます。
4.身体的特徴
口論が激しくなった時、いかにストレスを受けているのかが脈拍、血圧の変化で分かります。危険要因の洪水が原因となり、別れる理由は2つあります。
1つは、2人で話し合うときで、一方、もしくは双方が強い精神的ストレスを感じて苛立つからです。
2つ目は、危険要因が作用して脈拍などが高まり冷静な話し合いが出来ず、実質的に問題解決が出来ないからです。
口論などで興奮すると、脈が速まり汗をかきます。それは侮辱を受けた方も同じ反応をします。話し合いの最中にこのようなストレスがあるならば、話し合いの結果は悲惨なものになります。
売り言葉に買い言葉のように反論するか、自分の殻に閉じこもってしまうかのどちらかで、問題解決どころか状態を悪化させるだけです。
5.関係改善行動に失敗がある
4つの危険要因が定着するまでには時間がかかり、様々なカップルがいるにもかかわらず、2人の会話を聞いただけで、多くの場合別れを予測できます。それは、2人の原因を分析すれば、多くの場合、他のカップルとパターンが類似しているからです。
決定的なものは2人の間でリペアアテンプト(関係改善の為の努力行動)が成功しているのかどうかで判断できます。リペアアテンプトは2人が努力して作り出すもので、緊迫した状況を緩和させる作用があります。
しかし、危険要因があまりにも強くなりすぎると、リペアアテンプトも相手から無視されてしまいます。ではどうすれば成功するのかというと夫婦間の友情の質になります。
6.悪い思い出
2人の関係が冷え込むと、過去の出来事も危険要因となってきます。
相手に強いマイナス感情を抱いていると、過去の歴史を悪く書き換える傾向にあります。交際時代や結婚1年目の出来事を聞けば、別れるかどうかがおおよそ分かります。
上手くいくカップルは、過去の思い出を楽しいものとして心に抱いています。最初に相手を見た時の印象や最初にデートしたときの興奮、お互いが相手に対して抱いた気持など、2人ともはっきり覚えているのが特徴です。2人が逆境に立たされた時もそれを乗り越えて、さらに2人の絆を強くしたと、楽しく話し合うことができます。
反対に、別れるカップルは、そうした過去の楽しい出来事も不快なことだけに置き換えてしまいます。
2.離婚に至る4つの段階
これまでの共同生活の歴史を悪い方へ書き直すようになると、心身ともに実質的な二人の交流がなくなり、修復する力を失い、別れが目の前の出来事となってきます。このようなカップルは、表面的には特に変わった様子もなく、口論もせず、侮辱も逃避もすることもありません。
2人は、自分たちの関係やいざこざについてまるで第三者のように話します。しかし、この場合は片方、もしくは双方が感情的に共同生活を解消しているからなのです。関係解消には次の4つの段階を通ります。
- 共同生活を苦しいものと思う
- 話し合いを無益なものと感じる。また、問題を自分だけで解決しようとする
- 家庭内別居や物理的、精神的なものを含む別居生活を始める
- 孤独感にさいなまれる
浮気や不倫は共同生活が終わっていることの結果
2人が最終段階まで進むと、どちらか、または2人とも浮気・不倫を求めることになります。
浮気・不倫は共同生活が死んでいる時の結果で、その原因ではありません。別れる前2人が悩んでいるよりもはるか前に予測できます。
ただ傾向としては、男性は生活が終わる前であったとしても浮気や不倫をする傾向があるのに対し、女性は完全に共同生活が死んだ時点で浮気や不倫に進んでいく傾向にあります。その為、女性側の浮気・不倫の場合において夫婦関係を修復させることは非常に難しいのです。
まとめ
離婚に至ってしまう夫婦の特徴について、自分自身の日頃の生活に当てはめてみて考えていく必要があります。
誰しも意図的にこのような行動をとられず、行っているとしたら無意識にやってしまっているものです。
だからこそ自ら振り返り、このような悪い特徴を払拭する努力が必要になってきます。又、楽だからといって夫婦の関係に無関心になっていくことがあります。
お互い干渉しなければ衝突することも無いという理由からですが、この行為こそが離婚に至るスタートとなってしまうのです。